十一月
丸山 薫

タフマン◆i4jZSXPbII
前レビューでは、作品の価値は単にクオリティだけで評価できるものではないと いうことを書き込んだが、ここで疑問に思った人はいないだろうか?
それは「クオリティとは何か」ということ。
この作品はそれを簡潔に教えてくれるであろう。
面白い、面白くないという視点を廃して、話の展開のみを見てもらえればわかると思うが
タイトル>女性が歩く>捨て猫に会う>女性が拾い上げる>オチ>女性が去り行く>空には飛行艇
これだけである。
しかし、これだけでも
 ・なぜ、タイトルが十一月なのか
 ・なぜ、彼女はそこを歩いていたのか
 ・なぜ、彼女は捨て猫を拾おうとしたのか
 ・なぜ、彼女は去っていったのか
という、視聴者に対しての情報がないとこのオチはなりたたない。
大体の場合は、それを世界背景といて事前に紹介する、またはキャラが状況を教えてくれる ようなセリフをはなす、といったことが、
この作品では、背景の細やかさや雰囲気、女性と猫の豊かな表情で見事表現している。
これから導き出されるのは「クオリティが高い、
というのは映像からあふれ出る情報量の多さ」に 他ならない、と自分は考える。
この自分の持論について、反論がある人がいるであろう。
しかし、そんな人でも「この作品はクオリティが高い」と唸らせる力を持ったこの一品

作者の作品「星宿海」が 広島国際アニメーションフェスティバルに出展されるのこと
詳しくは作者サイトにて



















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